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月別アーカイブ: 2025年12月

第26回リフォーム工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社奥平工務店の中西です。

 

1. 劣化診断:症状から原因へ 🔎
• 外壁の症状:チョーキング、ヘアクラック、シーリングの痩せ、苔。サイディングは目地破断、モルタルは乾燥収縮を疑う。
• 屋根の症状:反り・割れ・釘浮き・苔。板金はサビとジョイントの劣化。瓦はズレと棟の固定不良。
• 防水の症状:立上りの割れ、ドレン詰まり、膨れ。階下の天井シミやクロスの膨れは緊急対応が必要。

 

2. 外壁の選択肢:塗装・重ね張り・張替 🎨
• 塗装:下地が健全であること、シーリング再施工が前提。素地調整(高圧洗浄・ケレン・下塗)→中塗→上塗。樹脂はシリコン・フッ素・無機など用途で選定。
• 重ね張り:既存の上に新サイディング。防火・重量・開口寸法に注意。既存の不陸は胴縁調整で吸収。
• 張替:下地腐朽や漏水履歴がある場合に。防水紙・通気層・胴縁を最新仕様に更新する。

 

3. 屋根:下葺きと役物が要 🏗️
• 防水紙:重ね幅・立上り・捨て谷・雨押えの連続性。強風地域は留め付けを強化。棟・谷・ケラバの処理で寿命が決まる。
• 仕上材の選び方:金属は軽量で耐震性に寄与、スレートはコスパ、瓦は長寿命だが重量に注意。地域と構造を見て選ぶ。
• 換気:小屋裏の吸気(軒)から排気(棟)へ。野地温度を下げ、結露を抑制。夏の冷房負荷も低減。

 

4. 防水(バルコニー・陸屋根):ディテールが九割 💧
• 材料:FRP・ウレタン・塩ビシート。立上りの最低高さ、入隅の補強、改修ドレンの適切な選定を守る。
• ドレン:落ち葉や砂埃で詰まるため、脱着清掃しやすい部材とする。緊急排水のためのオーバーフローを設ける。
• 勾配:最低勾配を確保。水たまりは劣化を促進。目視で水平に見えても勾配が必要。

 

5. 雨仕舞い:入れない、入っても出す 🛠️
• 開口部:サッシ四周の一次・二次防水。防水テープの上下順を逆にしない。下部は水返しを設ける。
• 取り合い:外壁とバルコニー、防水と笠木、屋根と壁。捨て板金とシーリングの位置と連続性が鍵。
• 貫通部:エアコンや配管。スリーブと防水・気密で将来の交換にも対応。

 

6. 季節配慮とメンテ 🍃
• 塗装の気温・湿度条件を守る。雨期は乾燥時間に余裕を。強風日は飛散養生を二重化。
• 定期点検:年一回のドレン清掃、二〜三年ごとのシーリング点検。

 

7. 予算・工期の目安 💰⏱️
• 外壁塗装(延床三十坪前後)八十〜百六十万円、十〜十四日。
• 重ね張り百五十〜三百万円、十〜二十日。
• 屋根カバー工法(金属)百二十〜二百五十万円、七〜十四日。
• ベランダ防水十〜四十万円、一〜三日。

 

8. ケーススタディ 🧩
課題:外壁の目地割れ、室内の壁紙の浮き、雨天時に天井シミ。
解決:外壁は張替を選択し通気層と防水紙を更新。サッシ周りの一次・二次防水をやり直し。屋根は棟換気を追加。
効果:雨漏り再発ゼロ。夏の小屋裏温度が下がり冷房効率が向上。✨

 

9. チェックリスト ✅
☐ 劣化症状と原因仮説を整理
☐ 塗装・重ね張り・張替の判断理由が明確
☐ 屋根の下葺きと役物のディテールを確認
☐ 防水の立上り・入隅・ドレン・オーバーフローを確認
☐ 雨仕舞いの一次・二次とテープ順序を確認
☐ 季節と天候の施工条件、飛散養生の計画

 

まとめ:外皮は表面の化粧ではなく水の動線設計。入れない、入っても出すの原則を守り、下地から健全化すれば、見た目も性能も長持ちする。🧱✨

 

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第25回リフォーム工事雑学講座

皆さんこんにちは!
株式会社奥平工務店の中西です。

 

1. 現況診断:数値より現象を集める
• 冬の結露ライン:ガラス下端・サッシ角・枠下レールに水溜まり→熱橋と気密漏れの疑い。
• 夏の日射熱:西日で室温上昇、床が熱い→外付け遮蔽(庇・アウターシェード・ルーバー)を優先検討。
• 騒音源の特定:道路・鉄道・隣家・上空航路。夜間の最低騒音と一過性ピークで対策を分ける。
• 風の通り道:窓を開けた時の風の抜け方を実測。臭気・カビの元は滞留ゾーンに潜む。

 

2. 方式選定:内窓・カバー工法・ガラス交換の使い分け
• 内窓(二重窓):断熱・遮音・結露対策に効果大。工期は半日から一日。窓台出幅と引き違い干渉に注意。
• カバー工法(サッシごと交換):既存枠に新枠を被せる。気密・水密が一気に改善。開口有効寸法が少し小さくなる点を確認。
• ガラス交換:障子はそのまま、Low‑E複層・三層・合わせへ。枠の断熱と気密が弱い場合は効果が頭打ち。
選定のコツ – 結露と寒さが主訴→内窓またはカバー工法を優先。 – 騒音が主訴→内窓+合わせガラス。周波数に応じて中間膜厚を検討。 – 開閉頻度が高い→引違から縦すべり・横すべりへ変更で気密を上げる。

 

3. ガラス・サッシの基礎知識
• Low‑E:コーティングで放射熱を制御。遮熱タイプと断熱タイプを方角で使い分け。
• 中空層:厚いほど断熱・遮音が効きやすい。スペーサの品質で縁部結露が変わる。
• 合わせガラス:中間膜で中高音を減衰、飛散防止も。二重化と気密の両立が基本。
• 枠材:樹脂・木・アルミ樹脂複合。熱橋の少なさとパッキン精度で体感差が出る。

 

4. 取付と気密:数ミリの隙間が快適を奪う
• 四周の気密処理:枠と壁の取り合いに発泡・気密テープ・防湿フィルム。室内側は止水、室外側は防水の層構成。
• 見切りと熱橋:金物の連続性が熱橋に。断熱材を切らさないディテールに変更。
• 床・天井の気流止め:間柱間の気流を遮断。小さな作業で体感が大きく改善。

 

5. 日射遮蔽と採光:外で止めるのが鉄則
• 外付け遮蔽(ルーバー・可動庇・アウターシェード)で日射熱ゲインを根本からカット。室内ブラインドは眩しさに効くが熱は入る。
• 方位別の考え:南は庇で夏を遮り冬を取り込む。西は可動遮蔽で低い西日を制圧。東は朝の眩しさ対策。北は結露と冷放射対策。
• 採光の質:壁洗い光やハイサイド窓で眩しさを避けつつ明るさを確保。撮影や在宅ワークの映り込みも改善。

 

6. 遮音の実践:開口部の弱点を塞ぐ
• 二重化+重ね合わせ:内窓のガラス厚を片側変えて透過周波数帯をずらし、総合遮音を向上。
• 隙間音:戸先・召し合わせ・レールのガタつきを調整。モヘア・パッキンを新調。
• フランキング:換気口・配管貫通・床下・天井裏から回り込む音を遮音ボックス・吸音材で処理。扉は重い+気密が基本。

 

7. 結露とカビ:温度と湿度の両輪
• 表面温度アップ:断熱化+窓際の弱い対流で露点下を回避。
• 湿度管理:二十四時間換気の正しい運転、浴室とキッチンの強運転、除湿の併用。室内干しの位置も配慮。
• 水分の逃げ道:額縁や窓台に水が回り込まないディテール。コーキングは防カビ・ノンブリードを選定。

 

8. 予算・工期の目安 ⏱️
• 内窓(腰窓一カ所)五〜十万円、半日。掃出し窓は八〜十八万円。
• カバー工法(掃出し一カ所)二十〜四十万円、一日。
• ガラス交換(三〜八万円/一枚〜)。
• 外付け遮蔽(三〜十五万円/カ所)。

 

9. ケーススタディ
課題:冬の結露・夏の西日・道路騒音。
解決:西面は外付け可動ルーバー+Low‑E遮熱、北面は内窓+断熱タイプ。リビングの引違は縦すべり窓へカバー工法で変更。枠四周は気密テープ+防湿、換気口は遮音タイプに。
効果:冬の窓際体感が上昇、夏の西日ピーク室温が低下、テレビ音量も一段下がった。✨

 

10. チェックリスト
☐ 方位・騒音源・結露位置の現象マップがある
☐ 方式選定の理由が明確
☐ 四周の気密・防湿・防水のディテール図がある
☐ 外付け遮蔽の採否と可動計画
☐ 風の矢印を描いた換気と窓開放計画
☐ 施工後の漏水・結露・開閉確認項目を用意
まとめ:窓まわりは数値スペックより取付と連続断熱で体感が決まる。外で日射を止め、内で気密を仕上げる。この筋だけ外さなければ、静かで暖かく明るい家に近づく。✨

 

 

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